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  〜2010.12 地盤の調査と地盤改良杭

6月三鷹市牟礼の敷地を見に行きました。

キウイ畑。 奥に東京女子短大(現在は法政中高)の丘がありその上に玉川上水が通してあります。

畑なのにガラ交じりの盛り土。

土地の履歴を調べるため図書館で古地図と郷土資料を見ました。

写真は敷地の西、現在の三中の校門あたりから北向きに玉川上水を望む位置のものです。(昭和31年頃)
 両側は牟礼田んぼと呼ばれていた水田で、玉川上水から水があふれることも多く湿地帯だったそうです。
 正面に見える小高い丘は後に東京神学大学、東京女子短大が建つ場所で現在は法政中学高校になっています。 写真集 「三鷹の今昔」より  

それが昭和40年になると、水田が盛土とガラで埋め立てられ変わり果てた姿になっています。三鷹台団地ができたころの写真。

中央に流れるのは高山小と三中の間を流れる用水路で現在は道路になっているようです。丁度敷地の西方向。

ガラを埋めるのはぬかるんだ地盤を締める常套の手段だったと思います。液状化には今も有効かもしれません。

図書館で入手した1956年の地図です。

 高山 山崎といった地形に関係する地名が読み取れます。牟礼も高い場所という意味です。

インターネット上にも時系列に古地図や航空写真が見れる今昔マップ、 国土変遷アーカイブといった情報あり、入手可能です。

 

1961年の航空写真です。湿地 水田

 後に施主のお父さんが現場にお見えになりこのあたりが葦の生えている湿地だったとのお話を伺いました。近所で聞いてもわからなかった一番知りたかったことをご存知の方がごく身近におられたわけで灯台もと暗しとはこのことです。

 地層図をみると海から伸びたチャンネルが牟礼の高台のところまで来て止まっています。

埋もれ谷と呼ばれるもので湾だった場所です。

スウェーデン・サウンディングによる地盤調査を行いました。14mの深さまでヘドロ状の自沈層がありました。
12/23 地鎮祭を行いました。

地盤改良杭。土とセメントを混ぜ合わせて杭状にします しっかりとした地層がある深さ14mまで2mおき程度に25本。

基礎梁が2mの短スパンとなるため倍厚程度の端厚スラブで十分な強度となります。

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© 磯矢建築事務所