カラマツの伐採


 

 

 

 

 

 




 敷地内にあるカラマツを一部伐採製材して柱や下見板に使うことにした。

カラマツは樹皮がガサガサで右捩じれの性質が強いためか大工の誰に聞いても評判が悪く人気がない。

 富士見の矢沢製材所を訪ねると、機械が片付けられていて昨年廃業したという。矢沢さんからカラマツは水に強くとても良い材だという話を聞いた。廃業していたのは残念であったが製材所の建屋はカラマツの下見板で美しく壁が葺いてあり使える感触を得た。

足りない分の入手先を求めて次に白州の以前行ったことのある清水製材所に行ってみると代が変わっていた。ここの人もカラマツが大好きのようだったが幅広の材はなかった。

次に、矢沢さんに教えてもらった美濃戸口にあるカクホンに行ってみるとここには太い丸太があった。土木向けの製材所らしい。(カクホン産業 茅野市玉川)

 

 

 2月末 根が水を上げ始める前に現場に行ってカラマツを伐採した。

 

 

 ガッチャを木のできるだけ高い位置に取り付け、テークル(滑車)で倒したい方向に強く引いておく。チェーンソーで60度の角度で太さの6割くらいを倒したい方向に正確に切り取る。切り取った反対側の5cmくらい上にくさびを打ちながら水平に切れ目を入れ、巾3cmくらいをヒンジ状に残す。さらにくさびを打ち込むとゆっくり倒れ始める。(図)

 

 

 

ハクスバーナのよさそうなチェーンソ-を用意した。135e ガイドバー40cm仕様、安価。

プロ用ではないがトルクあり扱い易い。ベースは440eという3倍くらいの値段の機械らしい。高品質で驚いた。

 

 

 

 敷地いっぱいになるため、隣家に当たらないよう木の高さを見上げ角度から測った。他の立ち木の枝かかりにならないよう、敷地から出すのに困らないよう倒す方向と順番をよく考えて倒し始めた。

 

 ゆっくりと傾きはじめ、スローモーションを見ているようにドーシーンと地響きを立てて気持ちよく倒れる。

樵(きこり)はよい職業だなと思う。

 

 元口45cmの赤身勝ちな良材であった。

 しばらく現場に置いておいて次回来た時にカクホンに持って行き、製材してもらう予定である。

 

© 磯矢建築事務所                                                   | 目次 |戻る